マタイ (Matthew)
(?〜?)
十二使徒。カファルナウムの徴税人。『マタイ』でイエスに召される場面の他は十二使徒の一人としてのみ登場する。類似記事である『マルコ』『ルカ』に登場するアルファイの子・徴税人レビも同定されるが、確かではない。 収税所で座っている所をイエスに召され、すぐに弟子となった。そして、家で盛大な宴会を催した際、イエスや弟子と共に徴税人や罪人も多く同席していたため、ファリサイ派の人々は、「なぜ、徴税人や罪人と食事をするのか」と言ったが、イエスは「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」と語った(マタ9:9)。 イエスの死後の動向は不明だが、伝説では福音書を書き、パルティア、ペルシア、エチオピアに伝道してそこで斧で頭を割られて殉教したともいわれる。 (1) 『マタイによる福音書』は、使徒マタイが記したという権威と文量の多さから福音書の第一番目に置かれたが、現在は使徒マタイがこの福音書の著者であるとは考えられていない。 (2) 徴税人としての金袋や福音書記者としてのペンと本、殉教の斧を象徴とする。 (3) 祝日は9月21日。ギリシア教会では11月16日、コプト教会では10月9日。 (4) 『マタイ』ではマタイが徴税人として召され、 『マルコ』ではアルファイの子・徴税人レビ、 『ルカ』では徴税人レビが召される。 マタイ、レビ共にヘブル系の名前であり、同一人物とは考えにくい。使徒マタイと徴税人レビそれぞれが弟子におり、レビの記事がマタイに書き換えられたとも考えられる。 |