シモン (Simon the Zealot)
(?〜?)
十二使徒。熱心党のシモンとして共観福音書(『マタイ』『マルコ』『ルカ』)と『使徒言行録』に名前のみ登場する。 熱心党(ゼロテ党)とは、徹底して律法や宗教的伝統へ忠誠を尽くすためにローマの支配に対して組織された国粋主義団体。ガリラヤのユダによって組織され、「ヤーウェの他に神なし。神殿の他に税なし。熱心党の他に友なし。」を合言葉に反乱を起こしたが、ローマ軍に敗れ散り散りにされた(使徒5:37)。 徴税人であったマタイと並んで、幅広い人々がイエスの下に集っていたことを象徴する。 イエスの死後は、北アフリカのエジプトからモーリタニアを経てイギリスにまで渡り、更にタダイと共にペルシャに行ってそこで鋸引きにされて殉教したとも云われる。 (1) 「神は聞(シャマ)かれた」という意味のアラム語に由来するシメオンのギリシア語音写。 (2) 熱心党員と記されているのは彼一人だが、他の使徒たちも熱心党的要素は強く、大ヤコブとヨハネ、タダイやユダもその傾向が見られる。 (3) 祝日は10月28日(タダイと同じ)。 |