新王都ゼノビア
ランスロット 「 …よいのですか、皇子。 正当な王位継承者は皇子ですぞ。
トリスタン 「 私は父と母の仇をとれただけで 十分だ。王位などどうでもよい。
「 ラウニィーが王位を継ぐ事で わが民とハイランドの民とが争う 事もなくなるだろう。
「 それに、ラウニィーは上流貴族の 出身者であり、聖騎士として 民から信頼を得ている…。
「 そして、反乱軍を導いた英雄、 デスティン殿と結婚する のだから、資格は十二分だ。
ランスロット 「 では、皇子はこれから、 どうなさるおつもりで?
トリスタン 「 うむ。北方のローディス教国が この大陸をうかがっているとか。
「 それを確かめにいこうかと 思っている。ランスロット、 おまえも行くか?
ランスロット 「 もちろん。よろこんで、 お供させていただきます。
トリスタン 「 では、旅支度を始めよう。 みなに気づかれる前にな…。
ラウニィー 「 自分が王位につくなんて 考えもしなかったことだわ…。
デスティン 「 みなで決めたことだ。 気にすることはないよ。
ラウニィー 「 私より、この戦争の英雄である あなたの方がふさわしいのに。
デスティン 「 力で支配する時代は終わった。 だからぼくの役目も終わりさ。
ラウニィー 「 そんな言い方をしないで。 私をしっかり支えて。
デスティン 「 わかっている。すべては これから始まるんだ。
「 ぼくらの真の力がためされるのは これからだ。争いのない平和な 世界をきずかなければ。
「 死んでいった人々のためにも 光が満ちあふれる美しい王国を つくりあげよう…。
こうして ゼテギネア大陸に 新たな王者が誕生した。
人々は あなたの名を語り継ぎ、 永遠にわすれる事はないだろう。
あなたは 歴史にその名をきざみ、 英雄となった・・・。
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