新王都ゼノビア
トリスタン 「 貴殿のおかげで帝国を倒す事が できた。礼をいわせてもらう。
デスティン 「 いえ、礼にはおよびませぬ。 あたりまえの事をしたまで。
「 まして、戦いに勝利をおさめたのは 最後まで共に戦ってくれた 仲間のおかげです。
トリスタン 「 …本来なら英雄である貴殿が 新世界の王となるべきだが……。
デスティン 「 わかっております。 もはや私の役目は終わりました。
「 あとは、すべて殿下に おまかせしましょう。
トリスタン 「 すまぬ。 今日までごくろうであった。
デスティン 「 …ゼテギネアの外では、まだまだ 戦乱のたえぬ所があるとか。
「 私を必要とするところは 他にもたくさんあることでしょう。 私の旅はこれからです。
「 では、またいつか、 お会いしましょう。 それまで、お元気で。
トリスタン 「 うむ。貴殿もな。 さらばだ……。
アッシュ 「 殿下、デスティン殿は 出て行かれたのですな…?
トリスタン 「 …うむ。ひとつの王国に二人の 王は必要あるまい…。
「 デスティン殿には 申しわけないがゼノビアのためには 仕方ないことなのだ。
アッシュ 「 ………殿下。 この老ぼれに死に場所を……
トリスタン 「 わかっておる。みなまで言うな。 行くがよい、アッシュ。
アッシュ 「 ありがとうございます。殿下。
トリスタン 「 デスティン殿を しっかりとお護りするのだぞ。
「 あの方がいたからこそ、 この大陸は救われたのだから…。 わすれはしまいぞ……。
こうして ゼテギネア大陸に 新たな王者が誕生した。
その後、新ゼノビア王国は トリスタン国王のもとで 永きにわたる平和を手にする。
だが、その影にゆうかんに戦った ひとりの英雄がいたことを 知る者は少ない…。
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