新王都ゼノビア
ランスロット 「 …ついにグラン王の仇をとる事が できた。これで戦いも終わりだ。
ウォーレン 「 すべてアーウィンド殿の おかげですね。
ランスロット 「 …王位はやはり、トリスタン殿下が 継ぐか……。
ウォーレン 「 ……それは仕方のないこと。 言いたい事はわかりますが……。
ランスロット 「 むろん、殿下は大陸を治めるに ふさわしいお方…。
「 …もし、私が騎士でなければ、 アーウィンド殿に ついていくのだがな……。
ウォーレン 「 ここは、めでたいうたげのせき…。 聞かなかった事にしましょうか。
ランスロット 「 うむ…、そうだな。 少しよったようだな…。ハハ…。
…ランスロット・ハミルトン。 新ゼノビア王国騎士団の団長となる。 二年後、ハイムの戦役で戦死。
…ウォーレン・ムーン。 新ゼノビア王国魔法団の団長となる。 同じくハイムの戦役で行方不明。
カノープス 「 …行くのか、ギルバルド。
ギルバルド 「 ああ、オレの役目は終わった。 これからはおまえたちの時代だ。
カノープス 「 ユーリアをどうする…? あいつは、おまえの事を…。
ギルバルド 「 バカな…。民のためとはいえ、 一度はゼノビアを裏切った男だ。
「 ユーリアを幸せにできるはずも なかろう。 …このまま、行かせてくれ。
カノープス 「 …しかし、それでは…。 それにオレは…これから…。
ギルバルド 「 …笑え。笑えよ、カノープス。 笑顔でオレを見送ってくれ。
カノープス 「 ……そうだな。すまなかった。 かならず戻ってこいよ。
ギルバルド 「 ああ…、殿下を頼んだぞ。 いつかどこかで、また会おう。
ユーリア 「 兄さん、ギルバルド様は…? ……行ってしまわれたのね…。
カノープス 「 ゆるせ。オレにはあいつを 止める事はできなかった…。
ユーリア 「 …ううん、いいの。…きっと また会えるわ。必ず…。
…カノープス・ウォルフ 新ゼノビア王国魔獣軍団団長になる。 ハイムの戦役にて旧友と再会する。
…ユーリア・ウォルフ その歌ごえは世の人々をみりょうし、 歴史に名を残す歌い手となる。
ユーシス 「 …やっと終わった。これで 天空へ戻る事ができるわね。
フォーゲル 「 あなたは立派な天使長になられた。 聖なる父もおよろこびのはず。
ユーシス 「 …しかし、私は姉さんを助ける事が できなかったわ…。
フォーゲル 「 ミザールは死に場所を探していた。 死を望んでいたのです。
「 われわれは、みな聖なる父の子…。 あなたの姉さんは、死してやっと 天へ帰る事ができたのです。
ユーシス 「 …そうね。…きっとそうだわ。 ……ミザール姉さん…。
フォーゲル 「 さあ、そんなに哀しまないで。 今夜は下界の新たな旅立ちの日。
「 われわれの仕事は、まだまだ 続きます。下界に真の平和を もたらすまで…。
…天使長ユーシス 慈愛の心で神の教えを広め、後に 神々のひとりにむかえられた…。
…竜牙のフォーゲル 呪わしきその姿から人間に戻れる日は いつのことか…。
スルスト 「 Oh フェンリルさんでは ありませんか〜。どうしました?
フェンリル 「 ちょっと気になることがあってね。 考えすぎならいいんだけど。
スルスト 「 ユーの心配事とは ラシュディの事デスネ…?
フェンリル 「 あら、さえているじゃない。 軽いだけじゃないのね。
「 最後の決戦であいつは、自分たちが 負けることを、まるで運命のように 言っていたわ…。
「 そう…、まるで自分が死ぬ事を 知っていたみたい……。
スルスト 「 では、ラシュディが復活するとでも 思っているのデスカ?
「 HAHA。それはユーの考えすぎ。 だいたい、アイツは自分の魂を 暗黒神のイケニエにした男。
フェンリル 「 …そうね。心配しすぎよね。 私ってば、暗い女だわ…。
スルスト 「 NO! NO! そんなことはありまセンヨ!
「 さあ、広間でワタシとイッショに ワインでものみまセンカ? ネ
…氷のフェンリル かのじょのもたらした聖剣が再び その力を発揮する日はいつか…?
…赤炎のスルスト 地上の人々は、三騎士の助けが再び 必要になる事をまだ知らない…。
トリスタン 「 …考えなおさないか…? 民は 君が王になる事を望んでいる。
アーウィンド 「 トリスタン、あなたが 正当な王位継承者よ。
「 あなたがいなければ 反乱軍に様々な戦士が集まり、 帝国に勝つ事もなかったわ。
「 私はあなたの手伝いをしただけ。 あなたなら、争いのない平和な 王国をきずくことができるわ。
トリスタン 「 ならば、いま少しここにとどまり 私を助けてはくれないか?
アーウィンド 「 北方の大国、ローディス教国が この大陸をねらっているとか。
「 多くの血を流し、手にいれた この大陸をやつらに渡すわけには いかないわ…。
ラウニィー 「 そんな危険なところへ、 あなたは行くというの…?
アーウィンド 「 フフフ…。心配はいらないわ。 私ならだいじょうぶ。
「 それより、あなたたちの結婚式に 出れないのが残念ね…。 良い王国を作ってね。
トリスタン 「 必ず、戻ってきてくれ。 いつまでも待っているから。
アーウィンド 「 ありがとう。トリスタン。 またいつか会いましょう。
…トリスタン・ゼノビア王 神々から祝福を受けたトリスタンは 『聖王』と呼ばれ民に愛された。
…ラウニィー・ゼノビア王妃 王妃の手にした幸福が、つかの間の ものである事を知る者はいない…。
デボネア 「 ……おいてけぼりはひどいな…。 それに1人じゃ危険だ。
ギルバルド 「 ローディスから帰ってきた者は 1人もいないと言う……。
アイーシャ 「 私たちは、あなたに命を救って もらった者です。
サラディン 「 今度はあなたと共に旅し、 あなたの助けとなりましょう。
アーウィンド 「 …帰ってこれるかどうか わからないよ。いいの?
デボネア 「 平和になったゼノビアに、 われわれは必要ないさ。
「 それに、きみと行動を共にした方が よっぽど面白そうだ。カリを 返さなくてはならんしな。
アーウィンド 「 …フフフ。仕方のないヒトたちね。 好きにすればいいわ。
デボネア 「 さあ、はやく旅支度をしよう。 他のやつらに見つかる前にな。
アーウィンド 「 …他の方々じゃなくて、 ノルンさんからでしょ?
デボネア 「 ハハ。それを言わないでくれよ。 まいっちゃうな…。ハハハ。
うたげの続くなか 勇者とその一行は城門をぬけると 果てしない荒野へ消えていった。
その新たな旅立ちを オーブをとおして見ている 老いた男女がいた…。
…彼らの旅立ちは始まったばかり。 自分たちの前にどのような運命が 待っているか知るはずもない…。
オウガバトルはこれからじゃ…。 それまでは、つかのまの安らぎを 味わうがよい…。
おぬしたちが、わしらの前に あらわれる日を楽しみにしておるぞ。 それまでいのるとしようか。
われらが勇者に 神のご加護がありますように。
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