- 38a 央地ラティウム -
■央地ラティウム
(王都・木の生えた庭)
「ユミル王子!
(ユミルが振り向くと、アンキセスとマグナスが歩いてくる)
王子ユミル
「あッ、アンキセス。
…だれ、その子?
堅牢地神アンキセス
「私の息子です。
「…マグナス
ユミル王子に
ご挨拶しなさい。
マグナス
「……僕は…
(アンキセスが消え、セピア色に)
「待ってよーッ!
「…ハハハッ!
早くこいよ、ユミル!
(駆けて来たユミルとマグナス。マグナスが階段で転ぶ)
王子ユミル
「大丈夫ッ!?
…大丈夫マグナス?
(ユミルが歩み寄る)
マグナス
「大丈夫だよ。
…これくらい。
王子ユミル
「でも…
ほら、血が出てる…。
(マグナス)
「こんなの平気さ!
王子ユミル
「強いんだね、
マグナスは…。
「僕も…
強くなりたいなぁ。
マグナス
「ユミルには無理だよ。
…弱虫だし、…すぐ泣くし。
王子ユミル
「…そうだッ!
いい事考えた!
「僕は大きくなったら
王様になるんだよ。
だからねー、
「マグナスが、
僕の騎士になれば
いいんだよ。
マグナス
「僕が騎士に…?
「そう、君が僕の騎士に……
(城内)
中央貴族
「王子…
死んでもらうぞッ!!
マグナス
「危ないッ、
逃げろユミルッ!
中央貴族
「どけッ、小僧ッ!!
(貴族がマグナスを振り払うと、アンキセスが駆け寄ってきて、貴族を切り倒す)
王子ユミル
「マグナスッ、
…大丈夫!?
「…マグナスッ!!
(貴族とアンキセスが消える)
マグナス
「良かった…、ユミル…。
無事だったんだね…。
王子ユミル
「君のおかげだよマグナス。
君が僕を守ってくれたから…
マグナス
「違うよ…、ユミル。
守ったのは父さんだよ…
「僕は…何にも…
…僕は何も出来なかった。
………悔しいよッ
「……くや……いッ……
…うッうぅ……
(庭)
王子ユミル
「明日には
行ってしまうんだね。
マグナス
「…ああ。
王子ユミル
「家を出る必要があったの?
「何も…
士官学校へ進まなくたって…
マグナス
「母さんはもういない。
「父さんとは…
一緒に居たくない…。
王子ユミル
「………。
マグナス
「もう、行くよ。
(マグナスが後ろを向く)
マグナス
「……ユミル…。
僕は必ず騎士になる。
「そして、君を守りたい…。
君に相応しい騎士に
なりたいんだ。
(会議室)
軍師ヒューゴー
「………。
…マグナス。
マグナス
「どうしたヒューゴー?
軍師ヒューゴー
「…いや、何でも無い。
現在の状況を伝えよう。
それでは説明を始めるぞ。
今回は来たに位置する『ラティーナ』を
本拠地として行動することになる。
目標となるのは、本拠地から向かって
約1日の距離にある『羅城トイデベルト』と、
『羅城トイデリッヒ』じゃ。
この両砦を制圧し、
『王都ウィニア』攻略の足がかりとすることが、
今作戦の目的となる。
偵察部隊により、敵の大部隊が凄まじい勢いで
進軍中との報告が入っておる。
いつ接触してもおかしくない状況じゃ。
…敵も決着をつけるつもりなのじゃろう。
我々も早急に部隊を展開、迎撃体制を調えねば、
勝敗は一瞬で決まってしまう。
迅速かつ的確な指揮が要求されるぞ。
(マグナスが席を立つ)
軍師ヒューゴー
「ユミル王子に何が起きたのか
分からんが…
「このまま放ってはおけんぞ。
覚悟は出来ておるか、
…マグナス?
マグナス
「ユミルがこんな事をするなんて
信じられないよ。
「…俺はユミルを信じている。
軍師ヒューゴー
「マグナス!
…お前ッ!
マグナス
「心配しなくてもいいよ、ヒューゴー。
…俺はユミルを信じている。
「信じるからこそ、覚悟が出来た。
たとえユミルが前に立ち塞がろうと
…俺は戦いを止めない。
「何があろうとも、暗黒の力や
魔界の住人達を利用する者に、
屈する訳にはいかない。
「この国の自由の為に。
…ユミルが愛したこの世界の為に。
(マグナスが部屋を出る)
■MissionStart
□交易の地ガエタ
老人
「王族の人間は、確かに強力な力を
手に入れた。じゃがな…、
「どんなに凄い力を持っておっても、
国を、民を守ることが出来ねば、
王とは言えぬのではなかろうか?
□イェンバハの町
<金>
若い女性
「ようこそ、革命軍の皆さん。
ラティウムへ!!
「貴方たちがここまで来た事、
中央が戦渦に巻き込まれる事、
全て運命かも知れません…。
「私には歴史を作る力はありません。
だから貴方たちが作る歴史に賭けて
みようと思います。…御武運を!
□宿場町バルジェ
酒場の親父
「王都ウィニアを守っているのは、
近衛騎士団の精鋭達さ。
「結局、彼らが守ろうとしているのは
パラティヌスという国ではなく、
王家の人間だってことなんだろうね。
□紀律の地ゴスビッチ
<金>
年輩の男性
「ローディスから、この地を救う為、
開闢王が再臨されたのだ。
「やはり我々は選ばれし者。
救われる運命なのだ!! キミ達、
伝説の復活を邪魔するなよ!!
□トイデリッヒ
勇士長ルオラネア
「貴様等に敗れたとあっては
パラティヌス騎士団の名折れ。
「退く訳にはいかんのだよ。
大いなる計画の為にもな!!
>戦闘後
勇士長ルオラネア
「パラティヌスに栄光を…
……真王…さ…ま……
>再訪問
革命軍兵士(パラディン)
「蒼天騎士団だな。
この城砦は我々が死守する。
「キミ達は一刻も早く、
トイデベルトを落としてくれ。
□トイデベルト
烈士長ベザルス
「パラティヌス騎士団の名にかけ
これ以上は進ませんッ!
「大いなる計画の為に、
…パラティヌスの為に!!
>戦闘後
烈士長
「真王よ…
この地に…静寂…を……
■クリア後城内
(跪いた敵騎士と2人の味方ナイト)
マグナス
「大いなる計画とは何だッ!?
一体何をする気だッ!
パラティヌス騎士(ナイト)
「開闢王の復活…、古の伝説…
……禁呪だッ!
「禁呪を使い貴様等を…
ローディスの連中を打ち破る!
…もう逃げられんぞ。
「邪魔者を全て消し去り、
再びこの地に平和をもたらす。
「……再現だ…
真王が伝説を再現するのだッ!
(ウィニア城内会議室)
王子ユミル
「…もうすぐだ……
もうすぐ…なのに…
「もうすぐなのに、
…どうして…君は……。
(出現音がしてゼーダが室内に出現)
■クリア後
□ラティーナ
軍師ヒューゴー
「住民から聞いた話じゃが、
この地方には…
「“スフィンクス”や“ワイバーン”
“ゴブリン”や“ゴーゴン”などが
生息しているという。
「あと、“下級のドラゴン”を
見かけたという情報もあるぞ。
何としても仲間にしたいのぉ。
□交易の地ガエタ
老人
「国祖、開闢王の血を継ぐ人間は、
すべて死んだ…。
「パラティヌス王家は滅びてしもうた。
…だが見るがいい!
民は今なおこの地に生きておる。
「王家が滅びようと、国が荒れようと、
今なお、わしらはこの大地に
立っておる。
「パラティヌスは滅びておらん!
この国の民が、この国に生きつづける
限り、国は滅びぬのじゃ!!
「国を造っていたのは王家ではなく、
わしら多くの民衆だったのじゃ!!
わかるか、おぬしら!?
□イェンバハの町
(藍)
年輩の女性
「あんた達のリーダーの
マグナスだけどね。
「おばさん良く知っているんだよ。
お優しいお父様と、お美しいお母様に
愛されて育った坊やでね…
「兄弟がいなかったせいか世間知らずな
ところもあったわねえ。
「そうそう…お父様のお勤めについて、
よくお城へ行っていたわ。
「お歳が近かったせいもあって、
ユミル様のいい遊び相手だったのよ。
「近くに寄ったんだったら、
おばさんに会いに来るよう、
マグナスに伝えておくれよ。
>マグナスで訪問
年輩の女性
「おやまあ! マグナス坊や
じゃないか、立派になったねえ。
「本当、いい男になっちゃって…。
おばさん一瞬わからなかったわよ。
ウワサはたくさん聞いていたよ。
「…士官学校を出たとか、南部軍の
所属になったとか…。上官に盾突いて
革命軍へ下ったと聞いたときは、
「もうおばさん心配で心配で…。でも
その革命軍を引っぱってきたんだね。
がんばったんだね、偉いよ。
「…いい目をするようになったわね。
つらいこと、悲しいことを乗り越えた
立派な男の目だよ。
□宿場町バルジェ
酒場の親父
「実はな…あまり大きな声じゃ、
言えないんだけどな…
「この地域の南の外れにある
ゴスピッチには、バーサ教の
教会があるらしい。
「国の、こんなど真ん中にあるんだぜ。
いままでよくローディスに
見つからなかったもんだよ。
「そこでだ…話はここからさ。
なんと、その教会に
天使様が現れたんだってよ。
「なんでも、その天使様は
心がけの良い人間に、
プレゼントをくれるらしいぜ。
□紀律の地ゴスピッチ
シスター
「天使が現れるという噂をお聞きに
なっていらしたのですね。
「ええ…深夜にこの教会を訪れると、
ごく稀にですが、
その様なことがあるそうです。
「この教会は、救いを求める人たちの
ために何時でも開放されています。
訪れるのは自由ですが…、
「変な噂に惑わされてはなりません。
母バーサは常にあなた達と共にあり
その行いを見守っております。
「善き行いを心がけ、弱き者たちに
救いの手をさしのべる者にこそ、
そのお導きがあるのですよ。
(夜の教会に金色の天使が現れる):イベント済:CF低
天使長フラーウム
「心狭き人の子よ、
よくぞこの地に参られました。
「我らは大いなる母の命のもと、
これまでのあなた方の行いを
ずっと見守って参りました。
「あなた方は革命という言葉に
振り回され、何かを見落としては
いませんか?
「あなた方が利を得るための
革命なのですか?
我らにはそうとしか見えません。
天使長フラーウム
「もっと民衆ひとりひとりに目を向け、
彼らの想いを汲み取りなさい。
「この大地に生を受けた、
全てのものの声に耳を傾け、
その気持ちを感じて行動しなさい。
「民衆の望むものに気づき、彼らの
希望の光となれた時、その身の上に
神の愛とお導きがあるでしょう。
□トイデベルト
革命軍兵士(フレイア)
「あら、貴方たち…? まだ何か
やることが残っているの?
「フレデリック様の密命か何かなの?
私たちの革命は成功し、
すべては終わったのでしょう?
「もう、心配することはないわよね。
…大丈夫よね。
□トイデリッヒ
革命軍兵士(パラディン)
「知っているか?
ウィニア城陥落の混乱に乗じて、
「ユミル様の侍女が、
ウィニア城から消えちまった。
まさか女の足で逃げ出すとはな…
「彼女から、いろいろな事実を
聞き出せると思ったのだが…
一体どこへ行ったのか…。
□王都ウィニア
(金)
若い女性
「…貴方たちは、この国の冥い影を
払って下さいました。
「けれど…あのお優しいユミル様
までもが、王家の血に巻き込まれ
…帰らぬ人となってしまった…。
若い女性
「…私は思います、ユミル様にならば
出来たのではないかと…。
「人々が、強制されるのではなく、
自分たちの意思で従ったのでは
ないかと…。
「ユミル様は人の上に立つことなく、
私たちと同じ視点で、同じ場所に
下りてきてお話しして下さる…。
「たとえローディスの軍事力が強大で
あっても、ローディスのもとに
従わざるを得なかったとしても、
「ユミル様のもと、パラティヌスの
国民として誇りを持って生きることが
出来たのではないか…と。
[other]
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