[ 能力 ] × [ 対抗・退治 ] × [ 最後に ]

† ヴァンパイアの能力
× 超感覚
  • 異常に優れた五感
  • テレパシー(遠隔感応)
    (血を分け与えた眷族や犠牲者と相互に感応可能な場合もあるようです。)
  • サイコキネシス(念動力)
× 身体能力
  • 怪力、高速移動、跳躍など高い身体能力
  • 不老、不死あるいは長い寿命
  • 高い肉体再生能力・活動能力
    (太陽や炎によって燃えたヴァンパイアの灰、あるいは血液のみから復活する場合もあるようです。彼らに相対する場合、この能力を見極めることは最も重要な要素といえるでしょう。)
  • 壁に張り付いて這い降りることができる
  • 飛行能力
  • 加速(ヘイスト)・幽霊歩き・迅速状態
    (疲労度は高いようですが、一時的に高い身体能力を得る能力です。但し、元々有している高い身体能力を抑え隠して人間のような動きで生活している場合もありますので、疲労を待つのは得策ではないでしょう。なお、共に移動する衣服や一般の生物に対して影響が出ることがあります。)
  • 変身能力
    (霧、塵、狼、犬、猫、鼠、蝙蝠、梟や鴉などの鳥、昆虫、矮小化など。)
  • 透過能力
    (云わゆる壁抜け。物理障害を無視して進むことができる。)
  • 姿を消したり、現わしたりする
  • 年を経る度、傷などが回復する度に力を増す
× 操作能力
  • 死者
  • 血を吸った相手(被害者)、生み出した下級のヴァンパイア
  • 動物・昆虫
    (鼠、梟、蝙蝠、蛾、狐、狼など。)
  • 風・霧・雷・火炎などの自然元素
× その他
  • 魔眼・催眠
    (視線による催眠術)
  • ヴァンパイアを生み出す
    (血を吸った獲物が死ぬ、ヴァンパイアの血を(瀕死の)人間に与えるなど)
  • 血液から相手の記憶などを吸収する
  • 血液による治癒
  • 血液による退魔
  • ネクロマンシー
    (降霊術、死者を呼び出して未来を占う術)
× 能力について
  •  ヴァンパイアは、下等な者であっても通常の人間を遥かに凌ぐ身体能力を持っています。それに加えて、多くの魔術的な能力を持った彼らは、人間を捕食する食物連鎖の最高位に相応しい存在と言えるでしょう。
     しかし彼らは、力に溺れて知性・理性を失う、能力の限界を試したがる、年を経て狂気に捕らわれる、といった強大な力の弊害ともいうべき性質がある他、多くの場合、その優れた能力を限界までには使いきれずにいるようです。
     彼らに対する場合、強大な能力の前には十分な用心が必要ですが、その力の性質と限度を見極めることは、彼らに対する者にとって大きな力となるでしょう。



† ヴァンパイアへの対抗・退治
× 神の息の掛かったもの
 教会・十字架(十字)・聖水・聖餅・イコン・祝福された武器など
 これらによる傷は、火傷のような痕を残し、再生能力が及ばなくなると云われます。祝福された剣で刺すことは特に有効とされますが、恐怖感を持つだけの者、聖物に対して全く抵抗のない者もいるようです。
 但し、これらの使用が聖物冒涜に当たる場合もあります。
× 杭・心臓破壊
 セイヨウサンザシやトネリコ、樅(モミ)、白楊(ハコヤナギ)、楓、樫などの木で作られた杭や焼けた鉄串を心臓に突き刺すことで大地に縛りつけ、肉体を眠りにつけるという意味があるようです。血液を生命の源とするヴァンパイアは心臓など血液循環系が生命維持の重要臓器である場合が多いようです。ヴァンパイアの治癒力を凌ぐ威力のある攻撃が必要でしょう。また、聖ゲオルギウスが竜を槍で殺したように、竜や吸血鬼を殺すには杭を突き刺さなければならないという言い伝えもあります。
 また、棒状の物で心臓を貫いて、心臓と外界を繋ぐことで滅ぼすことができる場合、飢えて滅びるまで活動を封じるだけの場合もあるようです。
 なお、血液を浴びると発狂・感染してしまうことがありますので、大量に吹き出す血液には注意して下さい。
(杭を抜かれて復活した夏目幹也など。)
× 断頭・頭部破壊
 脳と心臓を遮断、脳の破壊、あるいは頚椎や脳幹へダメージを与えることが有効のようです。鎌を使うと更に効果があると云われますが、これも対象の再生・活動能力によっては効果がない場合もあります。
 なお、血液を浴びると発狂・感染してしまうことがありますので、大量に吹き出す血液には注意して下さい。
(首だけで活動していたディオ・ブランドー、ダイ・アモン、頭部を再生した砌など)
× 日光または紫外線
 基本的に殆どのヴァンパイアは日光を嫌いますが、その耐性は浴びただけで灰になってしまう者から、白すぎる肌を適度に焦がすために日光を浴びる、歳を経たヴァンパイアまで様々です。かのドラキュラ伯爵も日中は能力が低下するものの、日光の下に登場しています。
 また、灰となっても、その灰から、あるいは灰の中から現れる蝙蝠の霊から復活することがあるので、注意して下さい。
 但し、なお、人間の中にも、光線過敏症など紫外線などへの抵抗力が低いために日光を嫌う方がいますので、くれぐれも混同しない様に。
(身体を焼くVCの年を経たヴァンパイアたちや、灰の中から復活したダイ・アモンなど。)
× ニンニク
 あるいはキルギスシルバーと呼ばれる類似種。
 その独特の臭いを嫌うようです。窓や扉などに吊るしたり、擦り付けたりしてヴァンパイアの接近を妨げます。しかし、これも全く抵抗のない者もいるようです。
× 毒劇物・汚れた血液
 血液は吸血鬼の生命の源であるがゆえに、病気や薬品・麻薬の混じった血液、死者の血液は、彼らの生命維持活動自体にダメージを与えることができると云われます。しかし、これも全く抵抗のない者もいるようです。
(アブサンを飲んで身体の自由が利かなくなったレスタト、身体が異形に変形してしまったライヴ・ガールズのヴァンパイアなど)
× 火炎
 おそらく一番確実な方法ですが、彼らの抵抗を抑えた上で、再生能力を超える火力と、肉体を完全に破壊することが必要です。黒焦げになったり灰になっただけでは、時間を経て復活してしまうことがありますので、完全に灰にした後、その灰を流水に流すなど細かく分散させれば、まず復活はできないでしょう。血だけでも復活する場合や、血に有害な成分が含まれていることもありますので、血液も完全に処分・浄化しておいた方が良いでしょう。
 また、蝋燭の光も嫌うようです。
(黒焦げになっても復活したレスタトなど)
× 銀
 最も反射率が高く、その白く輝く美しさから、悪に対抗するものと考えられています。また、熱や電気の伝導率が高いことから、聖なる力や意志力を相手に伝えやすいとも云われます。
 これで与えた傷は火傷の傷痕のようになって再生できないとも云われ、純銀製の弾丸や十字架として対ヴァンパイアの武器に使われるようです。また、元々教会などで使われていたものを溶かして作り直したものは更に有効だと云われます。
× 水
 流れる水は邪悪を流すものと考えられており、邪悪な存在は清水や塩水の流れを越えたり、踏み込んだりすることはできないと云われています。ドラキュラ伯爵も凪や満潮時のゆるい水の流れしか越えることはできなかったようです。彼らから逃げる際には、川を越えれば時間稼ぎになるでしょう。
 しかし、全く影響のない者や、故郷の土を入れた箱や棺を使ったり、靴に土を入れて克服した者も存在します。
 また、水・油・ワイン・酢・聖水に沈めることも有効だと云われています。
× 雷・電撃
 雷が神の罰などと云われるように、邪悪な存在に対して有効だと云われます。神聖・火炎に次いで有効な攻撃手段とされます。なお、逆に雷に打たれて死んだ者は吸血鬼になるとも云われます。
× ダンピール
 ヴァンパイアと人間との間に生まれた子供には、ヴァンパイアを倒す能力があると云われます。
(ヴァンパイアに生殖能力があるのかは不明ですが、吸血鬼ハンターD、ジョルノ・ジョバァーナなどがこれに当たります。)
× クルースニック
 ヴァンパイアを殺すことができるという、白い羊膜を付けて生まれてきた子供です。但し、羊膜の一片を左脇の下に付けるか、飲んでおかないとその力を得ることはできません。
× ヴィエドゴニャ
 ヴァンパイアを殺すことができるという、赤い羊膜を付けて生まれてきた子供です。しかし、死後に自身がヴァンパイアになる危険があります。
× ヴァンパイアの血を吸うヴァンパイア
 ヴァンパイアの血を吸うヴァンパイア。極稀に存在することがあるようですが、詳細は不明。
(ソーニャ・ブルー、アベル・ナイトロード(クルースニク)など。)
× 専門家に依頼する
 悪魔祓い師,司祭,魔術師,妖術師,ハンター,専門の学者,関連団体を探して依頼する。
  • アムステルダム大学
  • 超常現象研究団体タラマスカ(アムステルダム,ロンドン 他)
  • スピードワゴン財団(ダラス,目黒 他)
  • FBI(X-Files部門)
  • HELLSING(英国国教騎士団)
  • 寺社・教会などの各宗教団体
× 動物
 雄鶏、犬、白狼など呪力の高い動物を使う。黒い犬の額に白い目を書いておいても良いでしょう。
× 香
 教会で使われるものや抹香などが有効のようです。香には邪悪を祓うものから霊を呼ぶものまで様々なものがありますから注意して使って下さい。
× 塩
 食べ物の腐敗を防ぐということから、邪悪を祓うものとして知られています。
× 血
 一度で殺されたり、吸血鬼化・傀儡化しない余裕があるのなら、自ら血を与えることで数晩の時間稼ぎにはなるかもしれません。また、地方によっては血のパン、血のブランデーが効果のある場合もあるようです。
× 鐘
 鳴らし続ければ、ヴァンパイアは近づくことができないと云われます。また、澄んだ金属の音を嫌うとも云われています。
× 鏡
 自分の姿の映らない鏡を嫌うようです。
× 植物
 白楊(はこやなぎ・びゃくしん)、柊、野薔薇などを嫌うようです。それらを十字や杭にしても更に効果があるでしょう。
× 穀物・種子の粒や結び目・網
 ばらまかれた穀粒や種子のような、数を数えられるものを置いておくと、ヴァンパイアはそれを数えずには居られないので、家に近づけないで置くことができると云われています。結び目や網もそれを解こうとするので同様に云われています。
 高い身体能力でそれらを一瞬で克服してしまう者もいますが、知性を殆ど持たない下等なヴァンパイア達に対しては効果があるかもしれません。
× 祈り
 いついかなる場合でも神への祈りは忘れない様に。聖句や経などを嫌うとも云われます。
× 注意
 以上がヴァンパイアにダメージを与えると考えられている主なものです。しかし、全く効果のない場合もありますし、迷信を逆手にとって、怖がる振りをするものもいるようです。彼らが奸智に長けた者たちだということを心に留めておいてください。

 なお、ヴァンパイアを滅ぼした場合、
『刑法』
[第百八十九条]:墳墓発掘、[百九十条]:死体損壊等、[百九十一条]:墳墓発掘死体損壊等 の条文により最大(191条)三ヶ月以上五年以下の懲役
[第百九十九条]:殺人、[第二百五条]:傷害致死 の条文により最大(199条)死刑


『墓地、埋葬等に関する法律』
[第四条]:墓地外の埋葬又は火葬場外の火葬の禁止、[第五条]:埋葬、火葬又は改葬の許可 の条文により、二万円以下の罰金又は拘留若しくは過料

 および、各地の条例による罰則を受ける可能性があります。
 殺人・傷害致死については、『刑法』[第三七条]:緊急避難の適用、墓地外の埋葬については宗教的感情や公衆衛生に適合すると判断されれば散骨と同様の扱いが受けられるでしょう。但し、現在のところ、日本国内でヴァンパイア関連の判例は見当たりません。また、ヴァンパイアの存在自体を信じてもらえる可能性はあまりないと言えるでしょう。



† 最後に・お断り
× 最後に・お断り
 以上、ヴァンパイア、あるいは吸血鬼と呼ばれる者たちについて、その誕生から退治法までを、日本に住む一人の人間としての立場から綴ってまいりました。しかし、これらは、ヴァンパイアが人間の血を吸う邪悪な死者であるという、現状での私の認識から引き出されたものであり、人間社会と共存する友好的なヴァンパイアの方々、あるいは我々と全く関わりの無かった種族の方々をも敵対者として位置付ける意図はございません。
 不幸(幸い?)にして私の身近にはヴァンパイアの方がいないため、記述の全てをストーカーの『ドラキュラ』をはじめとした多くの吸血鬼本に依存した、実体験や一時資料に基づかない記述となっております。万一、記述の誤謬や不足、友好的なヴァンパイアの方々へ誤解、御迷惑を与える記述があった場合は、御一報下さい。遅滞なく訂正、あるいは削除させていただきます。
 また、新たな情報、ヴァンパイアと近しい方、あるいは御本人様からの御連絡も頂ければ幸いです。
 それでは、貴方にとって幸多き夜でありますように。



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